海老名市の任意売却|肺がんによるホスピス入居費用の捻出と「一部抵当権」の壁。前例なき難局を打開した極

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2022年03月10日

海老名市の任意売却|肺がんによるホスピス入居費用の捻出と「一部抵当権」の壁。前例なき難局を打開した極

ご相談の背景と状況

ご相談者様は、海老名市にお住まいの高尾様(仮名)。 健康診断をきっかけに肺がんが発覚し、病状の進行からホスピス(緩和ケア病棟)への入居を決断されました。 しかし、自宅には住宅ローンの残債が重くのしかかり、売却しても債務を全額返済できないオーバーローンの状態。手元資金はすでに治療費等で枯渇しており、ホスピスに入るための初期費用や月々の費用をどうしても捻出できないという極限の状況でした。

高尾様のご希望は切実を極めていました。

「体調を考えると一刻の猶予もない。少しでも早く現金を手元に残し、安心してホスピスに入りたい。しかし、権利関係が複雑で他社では断られてしまった」

立ちはだかった前例のない壁

本件を過去類を見ないほど困難にしていたのは、「極めて限られた時間制限」と「一部抵当権(共同担保の切り離し困難)」という二重の障壁でした。

対象物件を含む複数の土地・建物に対して一体で抵当権が設定されており、金融機関側からすれば「特定の物件だけを切り離して売却し、しかも抵当権を抹消する」ことは担保価値を著しく毀損させる行為にあたるため、通常では門前払いに近い扱いを受けます。

さらに、任意売却の実務において「売却代金から債務者の手元に治療費・ホスピス費用を現金の形で配分・確保する」という行為は、債権者の回収原則から大きく外れるため、金融機関の本部審査を通過させることは至難の業でした。

専門家チームが挑んだ仮説と、泥沼の交渉

放置すれば競売になり、高尾様の手元には一円も残らず、ホスピス入居の道も閉ざされてしまいます。 当センターは即座に特別対策班を組み、前例のない突破口を開くための仮説を構築しました。

構築した仮説

  • 競売に移行した場合の回収不能リスクと長期化損失を数値化し、任意売却による早期現金化の経済的優位性を債権者本部に立証する。
  • 一部物件を切り離して売却しても、残余物件の担保価値と今回の回収額の合算が競売回収見込額を上回る資産評価レポートを独自作成する。
  • 医療診断書およびホスピスの費用証明を揃え、人道的見地からの特例措置として売却代金の一部控除を法論理とセットで通す。

ここからの実務は、まさに文字通りの難航を極めました。 金融機関の担当窓口、保証会社、債権回収会社(サービサー)の法務部との間で、連日にわたる書類の修正と電話協議を重ねました。 当初は「前例がない」「内規で認められない」と頑なに拒否され、何度も交渉が決裂しかけました。 病状が進む高尾様からの悲痛な連絡を受けるたび、相談員一同「絶対に諦めるわけにはいかない」と連日深夜まで対策を練り直しました。

物件の再査定、近隣取引事例の洗い出し、残余担保の保全策、そして弁護士を交えた法的な覚書案の作成など、持てる知恵とノウハウのすべてを注ぎ込み、分厚い提案書を持って何度も債権者本部へ直接交渉に赴きました。

執念が結んだ解決と結果

交渉開始から数週間、粘り強い論理提示と人道的な訴えが実を結び、奇跡的に債権者本部から「一部抵当権抹消の承諾」および「売却代金からのホスピス費用確保(特例控除)」という前代未聞の合意を取り付けることができました。

合意取り付けと同時に、水面下で進めていた提携先ネットワークを通じて即座に買い手を確定。競売の申立期日ギリギリの段階で決済を完了させました。

これにより、高尾様は念願であったホスピスへの入居費用を無事に確保され、迅速に医療ケアを受けられる環境へと移ることができました。

ご相談者様(高尾様)の声

「体調が悪化していく中、お金もなく、家も複雑で売れないと言われ、絶望の底にいました。ここまで泥臭く、必死に銀行と戦って道を開いてくれた相談員の方々には、感謝という言葉では足りません。残された時間を穏やかに過ごせる場所を手に入れることができました」

担当相談員より

「任意売却の実務を長年手がけてきましたが、精神的にも実務的にもこれほど厳しく、重圧のかかる案件は過去にありませんでした。時間的なタイムリミット、複雑な権利関係、金融機関の強固な内規の壁。どれか一つでも崩れれば失敗という極限状態でしたが、専門知識を総動員して考え抜き、チーム全員が諦めずに交渉を続けたことで突破できました。任意売却は単なる不動産処分ではなく、人の命と尊厳を守る仕事であると改めて痛感した事例です」

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