【競売の危機①】あえて売らない選択肢

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2022年02月16日

【競売の危機①】あえて売らない選択肢

これは、千葉県にある素敵なマンションの売却に挑んだ、あるご夫妻のリアルな再生の物語です。

「住宅ローンが払えなくなってしまった。私たちはこれからどうしたらいいのでしょうか……」

ご夫妻から、私たち「任意売却エージェント.com」に初めてSOSの連絡が届いたのは、コロナ禍の不安が日本中を覆い始めた2020年のことでした。

「50年以上、とにかく真面目に、泥をすするような思いをしながらも必死に生きてきました。人様に迷惑だけはかけないようにと心掛けてきたのに、この歳になって、ついに迷惑をかけてしまうのでしょうか……」

受話器の向こうで、消え入りそうな声で涙ながらに語る旦那様。代表相談員の三瓶(さんぺい)は、その孤独な痛みをすべて受け止め、ご夫妻にとっての「最善の答え」を導き出すために動き出しました。

他社からは「大幅なオーバーローンで売却不可能」との冷たい返事

ご夫妻は当社に相談される前、すでに大手の不動産会社など数社に相談をされていました。しかし、提示された査定金額は、どれもローンの残債(借金の残り)を大きく下回るものばかり。

「今すぐ売っても多額の借金が残るため、普通の売却はできません」と突き放されていたのです。

何とか住宅ローンとマンションの管理費だけは滞納すまいと、旦那様は収入を増やすために転職まで決行されました。しかし、コロナ禍の荒波の中でその努力も空回りし、状況はさらに悪化。精神的にも経済的にも、まさに限界を迎えようとしていました。

任意売却エージェント.comが提案した「逆転の時間稼ぎ」

ご夫妻の状況を細かく精査した三瓶は、ここで焦って安値で投げ売りするのではなく、あえて「時間を稼いで市場の波を待つ」という、プロならではの高度な戦略を提案しました。

三瓶が提示した2つの戦略

  1. 住宅金融支援機構(旧・住宅金融公庫)の特例措置の活用 ご夫妻のローンは機構(旧公庫)のものでした。コロナ禍で収入が減った方への救済措置を申請し、**「一定期間、月々の返済額を大幅に圧縮する」**手続きをご提案しました。これにより、まずは毎月の赤字を止め、心のゆとりを取り戻します。

  2. 不動産バブルの到来(値上がり)を予測 当時、政府がコロナ対策として大規模な金融緩和(お金のバラマキ)を行っていたことから、三瓶は「近いうちに投機マネーが実需のマンション市場へ流入し、確実に価格が値上がりする」と確信していました。返済を圧縮して耐えている間に、物件の価値がローンの額まで追いつくのを待つ作戦です。

二人三脚のスタート:ご夫妻と当社の迅速な行動

戦略が決まってからの動きは迅速でした。暗闇の中に一筋の光が見えたご夫妻は、驚くほどの行動力を見せてくださいました。

【お客様がとった行動】

  • ① すぐに住宅金融支援機構へ連絡し、アドバイス通りに「返済額圧縮」の手続きを完了。

  • ② 「少しでも家を高く評価してもらいたい」と、生活苦で荒れがちだった室内を徹底的に片付け。

  • ③ マンションのアピールポイントや、購入当時の過去のパンフレット・資料を一所懸命に探してご用意。

【任意売却エージェント.comの行動】

  • ① 現時点での再査定でもまだ残債の90%に届かないため、いつでも任意売却へ切り替えられるよう、債権者提出用の専門資料の作成を開始。

  • ② 購入希望者の目を引く魅力的な販売図面(マイソク)の準備。

  • ③ ご夫妻の残債額と償還表(返済計画表)を何度も再確認し、売り出す「Xデー」のタイミングを計る。

プロローグは終わり、舞台は「決戦の現地訪問」へ

毎月の返済額が減ったことで、ご夫妻の表情には少しずつ生気が戻ってきました。そして三瓶の予測通り、不動産市場は静かに、しかし確実に「値上がり」の兆候を見せ始めます。

準備はすべて整いました。 次回、いよいよ媒介契約(売り出し)をいただくため、代表の三瓶と、当時はまだ新人だった相談員の榊原が、千葉県のご夫妻の元へと向かいます。

競売の危機を目前に控えた現場で、一体どのようなドラマが待ち受けているのか――。 手元に200万円以上の現金を残すことになる驚愕の大逆転劇は、後編の「【競売の危機②】手元に現金が残った訳」へ続きます!