平成18年に杉並区で新築戸建てを6,400万円で購入されたご夫婦の事例です。購入時はペアローンを組み、お互いが連帯保証人となる、いわゆる「たすき掛け」の状態で借り入れを行っていました。さらに後年、リフォームローンも追加で借り入れていたため、抵当権は2本設定されていました。
その後、ご夫婦は離婚。お子様はお母様(奥様)が引き取り、ご主人が家を出る形となりました。「住宅ローンと養育費は支払い続ける」という取り決めのもと、当初の1年間は滞りなく入金されていました。
しかしある時期を境に、養育費の振込が途絶えます。ご主人の郵便物は転送設定されていたため、滞納の事実に奥様は全く気づいていませんでした。ご主人は会社をリストラ(退職)されたと見られ、住宅ローンの返済を完全に停止。連帯保証人であった奥様のもとへ、銀行から突然「一括弁済請求」が届く事態となりました。
事態に驚いた奥様から、弊社のホームページを通じてご相談をいただきました。
まずは現状の生活を維持できないか、銀行へ返済条件の変更(リスケジュール)を相談・交渉しましたが、すでに期限の利益を喪失していたことや残債の規模から受け入れられず、任意売却による解決を選択することとなりました
任意売却を進めるには、共有名義人である元ご主人の同意が不可欠です。連絡が取れず蒸発に近い状態でしたが、公的書類の確認(住民票の異動履歴等)を進めて現住所を特定。直接アプローチを行い、現状を丁寧に説明した結果、任意売却への同意を取り付けることができました。
なお、元ご主人は「元妻には顔を合わせたくない」という意向が強かったため、契約や立ち会いのスケジュールを完全に分け、双方が顔を合わせずに手続きを完了できる体制を整えました。
近年の不動産相場上昇を背景に、2本のローン(住宅ローンおよびリフォームローン)の残債を売却代金ですべて完済することができました。残債が残ることもなく、連帯保証債務の重圧からも完全に解放され、奥様とお子様は安心して新たな生活のスタートを切ることができました。
離婚時の「住宅ローンは自分が払う」という口約束は、名義人本人の収入減少や生活環境の変化によって破綻するリスクが極めて高くなります。特にペアローンや連帯保証の場合、相手方の滞納通知が届いた時点では一括請求や競売直前の状態になっているケースが少なくありません。
相手と連絡が取れない、顔を合わせたくないといった状況でも、専門家が間に入ることで双方が接触せずに解決できるスキームがあります。手遅れになる前に、早期のご相談をおすすめします。