前回の記事(多摩市編)では、事業トラブルと癌の闘病が重なった稲本様(仮名)が、保証協会の仮差押えが入る前に自宅マンションを適法に緊急売却し、破産申立費用を確保した経緯をお伝えしました。
今回はその続きとして、稲本様が東京都中央区に所有していたもう一つの不動産(収益用物件)の任意売却実務について記録します。
中央区の物件には、民間都市金融機関(銀行)からのプロパー融資による抵当権が設定されていました。
通常、事業破綻に伴う任意売却では、売却代金が債権額に届かず残債が残るケースが大半です。
銀行側も「回収できる範囲で少しでも回収できれば」という前提で査定や交渉に臨んでおり、早期の安値処分も視野に入っていました。
しかし、ここで少しでも高く売却できれば、プロパー債権を全額清算できる可能性があり、破産管財手続きや全体の債務整理を極めて有利かつ円滑に進めることができます。
・多面的な不動産サービス網の活用
この強みを活かし、一般の流通市場に出すだけでなく、収益物件を探している優良な既存オーナー・投資家ネットワークへダイレクトに情報を開示しました。
・入札形式の導入による売却価格の最大化
好立地である中央区の特性と利回りを正確に算出し、複数の投資家による「入札形式」を実施。
購入希望者同士が競り合う形を作ったことで、当初の想定相場を大きく上回る最高額の買主を特定することに成功しました。
入札の結果、一番高い金額を提示した投資家オーナーとの間で無事に売買契約が成立。
売却代金をもって、銀行のプロパー融資の債権を「全額完済」させることができました。
想定を遥かに超える高額回収となったため、銀行の担当者も「まさかプロパー分が全額完済できるとは思わなかった」と驚きを隠せない様子でした。
債権者である銀行にとっても最良の着地となり、稲本様の全体的な債務処理および法的手続きの負担を大幅に軽減させる決定打となりました。
任意売却を成功させる鍵は、単に「売りに出す」ことではなく、「その物件を一番高く評価してくれる層へ的確に届ける販売力」にあります。
RER Agencyが持つ多様な事業基盤(投資家ネットワークや賃貸管理のノウハウ)を総動員することで、金融機関の想定以上の高値売却を実現し、債権者・債務者の双方にとって最善の結果を引き出すことができます。