ご相談者:55歳(会社員)
家族構成:ご夫婦
対象物件:杉並区 マンション
借入状況:住み替えローン(前物件の売却損および諸費用を含む残債)
以前住んでいた自宅を売却し、現在のマンションへ買い替えた際に「住み替えローン」を利用されたお客様からのご相談です。
前居の売却時に残ってしまった住宅ローンの残債を、今回の新居の購入費用に上乗せして借り入れを行っていました。購入当初はボーナス払いを多めに設定することで月々の返済額を抑えていましたが、その後に勤務先の業績悪化に伴いボーナス支給制度そのものが廃止となってしまいました。
ボーナス返済の原資が断たれたため、借入先の金融機関へ返済条件の変更(リスケジュール)を相談。ボーナス払いをなくして毎月払いに均等配分する見直しを行いました。
しかし、その結果として毎月の返済額が5万円増額することに。さらに55歳を迎えたタイミングで会社の役職定年による基本給の減額が重なり、毎月の生活費を切り詰めても支払いが追いつかない状態となり、弊社へ任意売却のご相談をいただきました。
住み替えローンによる大幅なオーバーローン
今回の借入は、現物件の購入額に加えて前居の売却損や諸費用が上乗せされた住み替えローンでした。通常のフルローン以上に借入元本が膨らんでおり、杉並区の相場価格で査定しても残債が売却想定価格を大きく上回る状態でした。通常の売却では手持ちの現金で不足分を一括返済できず、債権者との合意による任意売却が必須でした。
金融機関からの引越し代配分がゼロ
借入先の金融機関は、売却代金からの引越し代控除(配分)を一切認めない方針の先でした。ご相談者様の手元には貯蓄がほとんど残っておらず、このままでは売却が決まっても退去費用がショートして手続きが停滞する危険がありました。
債権者との任意売却手続きの合意
金融機関に対し、現在の世帯収支や役職定年後の給与明細、杉並区内での適正な査定価格を提示して任意売却の申出を行いました。競売へ移行した場合の回収見込み額と比較し、任意売却の方が早期かつ高値で回収できる合理性を提示し、売却基準価格と配分案の合意を取り付けました。
任意売却エージェント.comの引越し代支援の活用
金融機関からの引越し代配分が見込めないため、弊社の正規仲介手数料から30万円を減額し、ご相談者様の退去および新生活の初期費用として充当しました。これにより、手元資金がない状態でも無理なく新居への引越し費用を確保しました。
早期成約と無理のない残債返済の合意
適正な価格設定で販売活動を行い、約2ヶ月で一般の個人買主様への売却を完了。売却代金を返済にあて、完済できなかった残債については、ご相談者様の現在の収入状況に合わせた少額の分割返済(月々1万円程度)にて合意を取り交わしました。
無事に任意売却が完了し、競売を回避することができました。
手元に資金がない状態でしたが、仲介手数料の減額分を活用して無事に賃貸住宅への住み替えも完了。役職定年後の給与の範囲内で無理なく生活を再建されています。
近年、買い替えを促進するために「住み替えローン」や「買い替え応援ローン」といった商品が多く提供されています。
しかし、この仕組みは「前の家の借金の残り」を「新しい家の借金」に上乗せして先送りしているだけに過ぎません。元本が通常以上に膨らんでいるため、返済途中で給料カットや役職定年、ボーナスの廃止といった収入減が起きた際、通常の売却で逃げることが極めて困難になります。
住宅ローンは、将来の収入減少リスクを見越して組むことが鉄則です。万が一、返済条件の変更(リスケ)をしても毎月の支払いが苦しい場合は、競売の申立を受ける前に早急に任意売却を含めた根本的な解決を図ることが重要です。