住宅金融支援機構ローンで投資物件で購入した場合の任意売却②

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2020年10月02日

住宅金融支援機構ローンで投資物件で購入した場合の任意売却②

確定申告で露呈した、業者の杜撰なサポート

フラット35による不正な投資マンション購入から2年目、米田様に最初の問題が発生します。確定申告の際、ローン返済額のうち「利息部分」は経費になりますが、「元本部分」は経費にならないことを税務署から厳しく指摘され、申告のやり直しを命じられたのです。一般的な税理士が関わっていればあり得ないミスですが、申告書は不動産会社が勝手に作成していたものでした。

ただ、当時はサブリース契約によって毎月一応の家賃が入っていたため、米田様は何事もなかったかのように過ごしていました。しかし、世間でシェアハウス投資の破綻ニュースが騒がれ始め、サブリースに危機感を覚えた米田様は、不動産会社に管理契約への切り替え(サブリース解約)を申し出ます。

ここで驚愕の事実が発覚します。サブリースで米田様に13万円支払われていた部屋は、実際には一般の入居者に「月額12万円」で貸し出されていたのです。逆ざやでサブリース会社が赤字を出しているという歪な構造に不安を覚えつつも、米田様はサブリースを解約し、月額12万円の家賃から管理会社へ手数料を支払う形に変更しました。

窓口(アルヒ)からの突然の呼び出しと、逃げ場のない面談

そんなある日、フラット35の融資窓口であるアルヒ(ARUHI)から、「面談を行いたいので都合をつけてほしい」と突然の連絡が入ります。米田様はこの時点で、自分が重大な契約違反(詐欺行為)に加担させられている実感をまだ持っていませんでした。

以下は、米田様が面談時に録音していた音声から、一部を分かりやすく書き起こした内容です。
 

アルヒ(以下:ア):「今回の住宅ローンですが、本来の目的(居住用)以外で使用されているようですが、事実をお話ししていただけませんか? 我々も機構(住宅金融支援機構)も、すでに調査はすべて終えています。」
 米田様(以下:米):「よくわからないのですが……。」
:「単刀直入に申し上げます。フラット35を利用して不動産投資をしましたよね?」
:「半年間はそこに住んでいましたが、仕事の都合で人に貸しました。」
:「そうですか。では、第三者に貸し付ける際に、なぜ弊社へ事前に報告がなかったのですか?」
:「失礼いたしました。完全に失念していました。」
:「米田様、本日お持ちいただいた売買契約書を拝見させていただけますか?」

(契約書をアルヒの担当者へ提出する)

:「米田様が今お持ちの契約書と、弊社(アルヒ)に保管されている契約書とで、売買金額が大きく違っています。」
:「えっ? どういうことですか? 私は手元の契約書の金額でマンションを購入して、諸費用はアプラスさんから借りましたが……」
:「これが弊社に保管されている契約書の写しです。この高い金額をご確認ください。」
:「私はこんな金額、全く知りません!」
:「金銭消費貸借契約(ローン契約)の際、こちらの高い方の契約書を米田様ご自身が提出されました。当日は不動産会社も同席しており、記録として弊社に保管されています。」
:「契約書は不動産会社が預かっていて、ローン契約の当日に持ってきてくれたんです。私は不動産会社の人に『全部ハイと言えばいい、自分がサポートするから』と言われて……」
:「(語気を強めて)購入金額の合計はご自身で確認されましたよね? 米田様は問題ないとお返事されて、ここに署名と捺印をされたんですよね? 違うんですか!?」
:「いや、あの……私は言われた通りにやっただけなので、詳しいことは知りません。一度、弁護士に相談して後日お話しさせてもらえませんか?」
:「面談は今回で終了とさせていただきます。弊社および住宅金融支援機構は、米田様の『期限の利益』を喪失させ、本日をもって全額一括返済を求める手続きに入ります。
:「そんな数千万円ものお金、一括で払えるわけがないでしょう!」
:「それは米田様ご自身の問題です。返済がなされない場合は、速やかに競売の手続きへ移行します。」

弁護士もお手上げの「一括返済通知」

面談はそのまま打ち切られ、米田様はいくつかの弁護士事務所の無料相談を必死に回りましたが、どこへ行っても「明確な規約違反であり、どうすることもできない」という冷たい回答ばかりでした。そして間もなく、予告通り裁判所や機構から一括弁済を求める内容証明郵便が届くことになります。

まとめ

ついに不正が発覚し、逃げ場を失った米田様。ここから話は、当社の相談窓口への駆け込みへと続きます。

先に結論をお伝えしますが、このようなフラット35を悪用した不動産投資詐欺(なんちゃってフラット)の物件に関しては、当社であっても「任意売却」の手続きを行うことはできません。なぜ任意売却が不可能なのか、そして二重契約書に隠された本当の恐ろしい実態とは何だったのか。次回(住宅金融支援機構ローンで投資物件で購入した場合の任意売却③)でそのカラクリをすべて暴露します。