住宅金融支援機構ローンで投資物件で購入した場合の任意売却③

0120-693-728

営業時間/10:00~18:00
定休日/水曜・日祝日

最近の投稿

カテゴリ

アーカイブ

2020年10月05日

住宅金融支援機構ローンで投資物件で購入した場合の任意売却③

池袋のオフィスに現れた、絶望する相談者

一括返済を迫られ、どこの弁護士からも断られた米田様は、交通の便が良い「池袋」にある当社のドローンパイロットサテライト事務所へお越しになりました(※当社の任意売却相談は、上野の本部だけでなく池袋でも行うことが可能です)。

事務所に現れた米田様は、極度の緊張と「なぜ自分がこんな目に」という納得のいかない表情を隠せない様子でした。改めて、不動産会社が米田様をハメるために行っていた周到な「偽装工作」の手口を整理します。

 ① 住民票を無理やり投資物件へ半年間移させる

 
② 誰も住んでいない部屋の水道・ガス・電気を毎月一定量使用し、居住の実態を偽装する(管理は不動産業者が代行)

 
③ 会社の通勤定期のルートを投資物件からのものに変更させ、勤務先へも虚偽の転居報告をさせる

 
④ 融資審査に通りやすくするため、米田様が元々持っていた車のローンを不動産会社が先払いして消す

 
⑤ 物件宛ての郵便物は賃借人(実際の入居者)に受け取らせ、レターパックで米田様へ転送させる

 
⑥ 管理会社に対し「上階の騒音がひどい」と虚偽のクレームを入れ、マンションの掲示板に注意文を掲示させて「騒音トラブルで住めなくなって退去した」という言い訳のアリバイを作る

これだけの根回しをしておけば、万が一住宅金融支援機構の監査が入っても言い逃れができると、米田様は業者から説明されていたそうです。

「二重契約書(書き上げ)」に隠された、1,000万円以上の抜き取りのカラクリ

前回発覚した「アルヒにだけ存在する、価格が高く改ざんされた契約書」の謎について、米田様から提示された資料や、関わった不動産会社・担当者の名前を聞いて、私たちはすべてを察しました。その悪質なスキームは以下のようなものです。

①不動産会社は、契約を成立させるためだけに自社の印鑑を押し、仲介手数料やキックバックを裏で受け取っていた。

②事前に一括返済された米田様の「車のローン」は、業者からの親切な貸付などではなく、業者の担当者個人が米田様の車を買い取る形で名義を書き換えていた。

③そして、米田様が知らないところで、実際の物件価値よりも1,000万円以上も金額を上乗せした(書き上げた)虚偽の契約書をアルヒに提出し、フラット35から巨額の融資を引き出していた。

④引き出された超過融資(1,000万円以上の差額)は、米田様が後から車を買い戻す際の売買代金という名目で処理され、すべて不動産業者の担当者によって持ち逃げされていた。
 

つまり米田様は、相場より数百万円高く売りつけられた上に、さらに知らないところで1,000万円以上の借金を上乗せされ、そのお金をすべて業者に盗まれていたのです。当時の住宅金融支援機構が、物件の担保価値の調査(机上査定や現地調査)を極めて形骸的にしか行っていなかった隙を突いた、極めて悪質なローン詐欺です。同様の手口は、当時大手財閥系の不動産会社の一部担当者(すでに懲戒処分済み)の間でも横行していたと言われています。

結論:なぜ、このケースでは「任意売却」ができないのか

米田様からは「家を任意売却して少しでも借金を減らしたい」と懇願されましたが、大変心苦しいことに、当社でもこの案件をお手伝いすることはできません。同じようなご相談を多数いただいていますが、すべてお断りしています。

理由は明確です。任意売却は、債権者(金融機関)との「信頼関係」を前提に、競売を避けるために話し合いで進める実務です。しかし、今回のケースは「初めから騙す意図を持って住宅ローンを不正に引き出した」という明確な刑事事件(詐欺罪)に該当する案件です。いくら「業者に騙された」と主張しても、名義人である本人も書類へのサインや偽装工作に加担している以上、金融機関側は米田様を「詐欺の共同正犯(または加害者)」として扱います。

そのため、金融機関が任意売却の交渉のテーブルに着くことは絶対にありません。

まとめ

このブログを執筆している現在も、米田様は弁護士を通じて機構側と交渉を続けているようですが、機構側の「一括返済できなければ即座に競売にする」という方針は一切変わっていません。

世の中に「他人の名義で住宅ローンを借りて投資をする」「住民票だけ移せば大丈夫」といった美味い話は絶対に存在しません。万が一、そのような提案を受けている方がいらっしゃれば、すぐに踏みとどまってください。

(※任意売却エージェント.comは守秘義務を徹底しておりますので、ご相談いただいた内容を債権者等へ無断で報告することは一切ございません。ご安心ください。)