「任意売却エージェント.com」のもとには、「不動産を売却処分して、その代金から今後の自己破産費用を捻出したい」というご相談が数多く寄せられます。特に、会社の倒産に伴って経営者個人も同時に自己破産されるケース(法人・個人同時破産)でよくあるご相談です。
しかし、弁護士から「自己破産の手続きに入ります」という介入通知(受任通知)が送られると、少しでも多くの資金を回収しようと、一部の債権者(金融機関や保証会社など)が「応じないなら不動産を仮差押(かりさしおさえ)する」と強いプレッシャーをかけてくることがあります。
これはまさに、債権者と債務者の知恵比べ(戦い)です。もし仮差押の脅しを受けたらどのように対処すべきか、プロの視点から3つのパターンと解決策を解説します。
不動産を売ってもローンが大きく残り、手元に残るお金(余剰財産)が少ないケースです。
実は、この段階で債権者が無理に仮差押をしてきても、その後に破産手続きが開始されれば、破産管財人によって仮差押は無効化されます。つまり、債権者にとっては「費用倒れになる無駄な抵抗」に終わることがほとんどです。特定の信販会社などがよく使ってくる手口ですが、恐れる必要はありません。
また、特定の保証協会などは頻繁に仮差押をちらつかせ、「ハンコ代(仮差押を取り下げるための承諾料)として50万円払え」と要求してくるケースが多々あります。
もし破産前にこれを支払ってしまった場合は、破産手続きの際に弁護士や管財人へ「破産費用が足りなかったので、ハンコ代として〇〇万円支払いました。これは実質的な偏頗弁済(へんぱべんさい※特定の債権者だけに優先して返済する禁止行為)にあたります」と報告してください。管財人がその債権者からきっちり資金を回収(否認権の行使)してくれます。
「家を売ったお金がないと、弁護士費用も裁判所への予納金も払えない」という、非常に切実で悩ましいケースです。
このような場合、仮差押をされる前に「正当な理由と実態を伴う形」で、信頼できる第三者へ一時的に所有権を移転させるなどの高度な実務手続きをとるケースがあります(※もちろん、悪質な財産隠しは違法ですので、実態を伴う適法な手続きが必要です)。
過去の事例では、債権者がこれに怒って裁判を起こしてきたこともありましたが、最終的には破産手続きの開始とともに債権者側の訴えは取り下げ(失効)となりました。まさに背に腹は代えられない局面での防衛策です。
実は、破産直前の「仮差押」というのは、ただの嫌がらせ(心理的プレッシャー)であるケースがほとんどです。なぜなら、仮差押はあくまで財産を「凍結」するだけの手続きであり、それだけでは債権者がお金を回収することはできないからです。
債権者が実際に家を差し押さえてお金を回収するためには、裁判を起こして「債務名義(判決など)」を取得しなければなりません。しかし、それには膨大な時間と裁判費用がかかります。
そこで、「仮差押をしても無駄だ」と債権者に思い知らせる強力な武器が「起訴命令(きそめいれい)の申し立て」です。
仮差押をしてきた債権者に対して、債務者(あなた)側から裁判所を通じて「文句があるなら、ただの凍結じゃなくて早く正式な裁判(本訴)を起こしなさい」と督促する手続きです。仮差押の通知が届いてから1週間が経過すれば申し立てることができます。
債権者は正式な裁判を起こすとなると、さらに時間と費用がかかるため、この起訴命令が出されると非常に困惑します。もし裁判所が指定した期間内(通常1〜2ヶ月)に債権者が裁判を起こさなかった場合、仮差押は自動的に失効し、こちらは容易に仮差押を外すことができます。
ほかにも、保全異議や保全取消、仮差押解放金の供託など、法的な対抗手段はいくつも存在します。
自己破産を前提とした任意売却において、債権者からの激しい追及や仮差押の脅しを個人で乗り切るのは精神的にも不可能です。
しかし、法律と実務の仕組みを正しく理解していれば、債権者の脅しを冷静にかわし、安全に任意売却を進めて破産費用を捻出することは十分に可能です。
任意売却エージェント.comでは、お客様の状況に合わせて、これまでの豊富な修羅場をくぐり抜けてきた経験から最適なプランをご提案いたします。
※ご注意:
これらの手続きは高度な法律的要素が絡むため、決して自己判断で行わず、必ず弁護士や、専門知識を持つ当エージェントへご相談のうえで進めてください。私たちは提携弁護士とも密に連携し、あなたの大切な再出発を全力で守ります。お気軽にご相談ください。