「今はまだ払えているけれど、来月からは厳しい……」 「このままではいつか行き詰まるのが目に見えている」
そんな状況でも、「滞納していないからまだ相談できない」と我慢していませんか?
実は、任意売却はローンを滞納する前から準備を進めることが可能です。むしろ、滞納前(早期)に動き出すことで、選択肢は格段に広がり、成功率も飛躍的に高まります。
今回は、意外と知られていない「滞納前の任意売却」の仕組みとメリットについて解説します。
よく「3〜6ヶ月滞納しないと任意売却は始められない」と言われますが、これは正確ではありません。 借入主(債務者)に明確な売却の意思があり、金融機関との協議が整えば、「早期代位弁済(通常よりも早い段階で保証会社が肩代わりすること)」を依頼し、任意売却の手続きに進めるケースが多々あります。
実際に金融機関へリスケ(返済計画の見直し)の相談に行った際、銀行側から「任意売却」を提案されることも少なくありません。
①精神的なゆとりと「考える時間」を確保できる
滞納が始まると、金融機関からの督促や法的な手続きが怒涛の勢いで進みます。精神的に追い詰められた状態では冷静な判断ができません。滞納前であれば、今後の生活設計や引越し先について、時間をかけてじっくり検討できます。
②「予防線」を張ることで競売を回避しやすい
手続きが早ければ早いほど、金融機関に対して「競売ではなく任意売却で解決したい」という姿勢を示しやすくなります。支払い停止から競売開始までは約9ヶ月の猶予がありますが、早期に着手すれば、金融機関も販売期間の延長などの柔軟な対応(猶予)を認めてくれる傾向にあります。
③市場価格に近い価格で売却できる可能性
時間に余裕があれば、焦って安売りする必要がありません。じっくりと買い手を探すことで、少しでも高い価格で売却し、残債を減らすチャンスが生まれます。
私は長年、信託銀行系の不動産会社で数多くの任意売却に携わってきました。銀行の担当者と対話を重ねる中で驚いたのは、彼らも「傷が浅いうちに(滞納前に)相談してほしい」と考えているということです。
任意売却業者の中には「滞納が始まらないと動けない」と思い込んでいるケースもありますが、現実は違います。確かな情報を持ち、金融機関と対等に交渉できるパートナーを選ぶことが、あなたの将来を守る鍵となります。