特設窓口|スマートデイズ(旧スマートライフ)のシェアハウス問題ADRについて

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2018年11月30日

特設窓口|スマートデイズ(旧スマートライフ)のシェアハウス問題ADRについて

社会問題となったスマートデイズ(旧スマートライフ)の「かぼちゃの馬車」をはじめとするシェアハウス投資問題。金融庁からの行政処分を経て、解決への道筋として「金融ADR(裁判外紛争解決手続き)」が注目される中、私たちはどのような論点を持って向き合うべきなのでしょうか。「販売会社」「銀行」「投資家(買い手)」という3つの視点から、それぞれの責任と問題の本質をプロの目で厳しく整理・解説します。

1. スマートデイズ(販売・サブリース会社)の責任:悪意の塊である

まず、すべての元凶であるスマートデイズ側の責任は極めて重大であり、一言で言えば「悪意の塊」でしかありません。主な問題点は以下の通りです。

  • あり得ない「30年間定額」の家賃保証 不動産業界の常識として、建物は経年劣化すれば家賃相場が下がるのが当たり前です。それにもかかわらず、「新築時の高い賃料相場が30年間ずっと維持される」という、実現不可能な謳い文句で顧客を誘引しました。

  • 不適切なローンのセット販売 建築資金だけでなく、本来の目的とは異なるフリーローンなどを、あたかもセット売りのスキームであるかのように見せかけて組ませていました。

彼らは、ビジネスモデル自体がすでに破綻(自転車操業)していることを自覚していたにもかかわらず、業務を見直すどころか、優良誤認を誘うセールストークで直前まで強引な勧誘を続けました。これは明らかな計画的欺罔行為と言えます。

2. スルガ銀行(融資金融機関)の責任:ガバナンスの崩壊と貸し手責任

融資を実行したスルガ銀行側にも、金融機関としての社会的責任(貸し手責任)を厳しく問われるべきポイントが多数存在します。

  • 事業性破綻のサインを見過ごした融資継続 スマートデイズの事業性が不透明になり、同社が仮面を付け替えたような別会社(関係企業)へと実態を変えていく不穏な動きを察知できたはずの局面でも、一切調査をせず漫然と融資を実行し続けました。

  • 担保評価の悪用と通帳改ざんの黙認 不動産業界の暗黙のルールを都合よく解釈し、ずさんな事業計画に対して過剰な融資枠を設定しました。何より、審査の過程で「明らかに偽造・改ざんされたと分かる預金通帳のデータ」が提出されていたにもかかわらず、営業ノルマを優先するあまり、審査でそれらを厳しく指摘せずスルーしていました。

これらは単なる営業ミスの範疇を超えており、銀行としての企業ガバナンス(内部統制)が完全に崩壊していたことを証明しています。

3. 買い手(投資家)の責任:事業主としてのリテラシー不足

一方で、被害者だからといって「買い手側の責任(過失)」が完全にゼロになるわけではありません。厳しい現実ですが、投資家側も以下の点を猛省し、事業主としての責任を受け止める必要があります。

  • あまりにも低いマネーリテラシー 被害に遭った人の多くは、日本の給与所得者の上位4%に属するような「年収1,000万円超」のハイスペックな方々でした。それほど優秀なビジネスパーソンでありながら、なぜ「30年間一括借り上げ・ノーリスク」という、世の中にあり得ないうまい話に簡単に騙されてしまったのでしょうか。事前に信頼できる不動産コンサルタントにセカンドオピニオンを仰いでいれば、一発で嘘だと見抜けたはずです。

  • 「自己資金ゼロ」という甘い見通しと怠慢 「自己資金0円で始められる不動産投資」などという都合の良いビジネスは存在しません。今の時代、自分で現地へ足を運んで物件を確認したり、周辺の家賃相場をネットで調べたりすることは極めて容易です。その最低限の調査(デューデリジェンス)すら怠り、不動産投資の心得がないまま「業者に丸投げして不労所得を得よう」とした姿勢は、事業主としてあまりにも無防備でした。サブリース契約は、将来の家賃を永久に確約する魔法の契約書ではないのです。

まとめ

シェアハウス投資の破綻問題は、誰か一人の責任ではなく、「悪意の販売会社」「暴走した金融機関」「脇の甘かった投資家」の3者が絡み合って起きた悲劇です。だからこそ、これからADR(金融ADR)の場に臨むにあたっては、この3者の過失割合や法律上の論点を緻密に整理し、感情論ではなくロジカルに交渉を進めていく必要があります。

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