破産免責後に届いた訴状。マンション管理費滞納の恐るべき盲点

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2020年08月11日

破産免責後に届いた訴状。マンション管理費滞納の恐るべき盲点

破産後に届いた、身に覚えのない「訴状」

私たち「任意売却エージェント.com」には、メールやお電話をはじめ、Skypeを利用した非対面相談などを含め、1日平均4〜5件のご相談が寄せられます。その内容は簡単なものから手遅れの案件まで様々ですが、今回は今までにないほど珍しく、かつ深刻な「破産後のトラブル」に関する実例をご紹介します。
  

【ご相談者の状況】

  • 物件: 埼玉県の分譲マンション

  • ローンの残債: 約2,500万円

  • 管理費・修繕積立金の滞納: 約120万円

  • 状況: 多数の債務を抱え、弁護士に依頼して自己破産。すでに無事「免責」が確定している。
     

すべてが終わったと安心し、心機一転して仕事をしていた相談者のもとに、突然、裁判所から連絡が入ります。まったく身に覚えのない法人から、裁判(訴訟)を起こされてしまったのです。どう対応していいか分からず、破産を担当した弁護士に駆け込んだところ、衝撃の事実が発覚します。裁判の原告は、破産手続き前に実行された競売でマンションを落札した「新しい所有者(競落人)」であり、請求内容は「旧所有者が滞納していた管理費・修繕積立金120万円の支払い」でした。

自称・専門家の誤ったアドバイスが招いた悲劇

なぜ、すべて破産で消したはずの滞納費用をいまさら請求されてしまったのでしょうか。事の始まりは、相談者が最初に頼った「元金融機関出身」を名乗る任意売却の専門家(※そもそも任意売却の仲介業務は、宅地建物取引業者しか行えません)の誤った助言にありました。
 

その業者は、相談者に対してこう説明したそうです。 「マンションの管理費等の滞納分は、個人についてくるものではなく、部屋(不動産)についてくるものだ。万が一競売になっても、次の所有者が払うことになるから気にする必要はない」
 

この言葉を信じた相談者は、紹介された不動産会社で任意売却を試みるも失敗。物件はそのまま競売へ流れてしまいました。その後、別の弁護士を通じて自己破産を申し立て、免責許可を得たのです。

なぜ、部屋についてくる管理費が「旧所有者」に請求されたのか?

相談者の弁護士も「部屋(新所有者)に請求がいくはずの管理費が、なぜ旧所有者に請求されるのか不思議だ」と頭を抱えていたそうですが、ここに大きな盲点があります。

以下が、私たち「任意売却エージェント.com」の見解です。 区分所有法において、マンションの管理費等の滞納は「新所有者(競落人)に対しても請求できる」と定められているのは事実です。しかし、だからといって「新所有者が負担するのが当たり前(旧所有者の義務が消える)」という意味ではありません。滞納が発生した期間にその部屋を所有し、管理費を支払う義務を負っていたのは、あくまでも「旧所有者」です。新所有者は法律上、その債務を「連帯して引き受けさせられた」に過ぎず、立て替えて支払った後に、本来の債務者である旧所有者へ「払ってくれ」と求償権を行使して裁判を起こすことは、法的に何らおかしくないのです。

通常、任意売却であれば、売却代金の中から抵当権者(銀行など)や管理組合と清算を行い、残った債務と一緒に処理します。また、任意売却後に破産する場合であれば、債権者名簿に「管理組合」や「立て替える可能性のある債権者」を正しく記載しておくため、免責によってこの請求権も一緒に消滅させることができます。

しかし今回のケースでは、任意売却が失敗 > 競売 > 弁護士による破産手続き という順番になった際、破産弁護士への「債権者一覧」の伝達や調査が漏れてしまっていたと考えられます。登記簿謄本を取得して競落人の存在を確認していれば容易に防げたはずですが、免責決定の前に債権者として組み込めなかったため、この120万円だけが破産の網の目をすり抜けて残ってしまったのです。

まとめ

自己破産後の手続きに関するご相談が来るのは、実務上極めて稀なケースです。今回の悲劇は、最初に「管理費は気にしなくていい」と間違った知識を植え付けた自称・専門家と、競売後の権利関係をシビアに追いきれなかった破産手続きの不手際が重なった結果と言えます。

任意売却や破産は、ただ手続きを右から左へ流せばいいというものではありません。不動産と法律、双方の仕組みを完璧に理解している本当のプロに任せなければ、思わぬ形で足元をすくわれることになります。

私たち「任意売却エージェント.com(運営:RER Agency株式会社)」は、元金融機関出身といった肩書きだけの安易なコンサルタントとは違い、確かな実務経験を持つ宅地建物取引業者です。弁護士や専門家とのネットワークを駆使し、このような破産後の二次被害まで想定した完璧な出口戦略をご提案します。住宅ローンや管理費の滞納でお悩みの方は、手遅れになる前に上野の私たちへご相談ください。